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怨毒の村 †

と或る少女の話 †

むかしむかしあるところに、カナコという少女がいた。

少女は両親とは似ても似つかぬ容姿が原因で、
周囲の人間から心無い仕打ちを受け続けてきた。
それはもう、醜かったのだ。
取り上げ婆がその顔を見ただけで失神し、
産んだ母親さえも顔を見た直後にショック死してしまうほど。

だから、忌み嫌われるのは必然であった。
村のどこにも彼女の味方はいなかった。

それでも少女は真面目に生き、毎日勉学にも励んだ。
困っている人がいたら手を差し伸べ、
見返りを求めず優しさを振りまき続けた。

まったくもって愚かしい。

どんなに辛くとも、自分の人生と真摯に向き合えば、
いつか報われる日が来ると信じていたのだ。

そんな愚かな希望に縋らなければ、
この排他的な村で生き抜くことができなかった。

――結果、少女は周囲を呪った。
正しくあろうが、報われない人間は報われないのだ。
妬ましい。恨めしい。呪わしい。
ただ少女は、愛されたかっただけであるというのに。

少女は自身を虐げた人間を一人ずつ呪い殺していった。

呪いを果たす方法は一つだけ。壺に蓋をし、生者の毒を食らうしかない。
呪いを破る方法は一つだけ。壺に蓋をし、亡者の毒を食らうしかない。

井戸の底で少女は望む。くだらぬ絆の成れの果てを。

概要 †

教室にて †

――みんなは『怨毒』って言葉の意味、知ってる？
酷く恨み憎むこと。
正当化するほど強い遺恨のことを『怨毒』っていうんだって。
えっ？　あははっ、わたしはないよ！　
だってみんな、大切なクラスメイトだもん！

今度の修学旅行、みんなで最高の思い出をつくろうね♪

更新 †

1/10:Wiki作成
2/15:更新

あらすじ †

高校二年生の冬。
あなたたちもついに、学校生活における最大のイベントを迎えます。
――そう。学生時代を一生の思い出として飾る、
修学旅行の季節がみなさんの高校にもやってまいりました。

これが過ぎれば、みなさんもあっという間に、
“卒業”という人生の節目を通ることになります。
今までいた環境から飛び出して、
新しい空へと飛び立つ時期まであと少し。

そうなってしまえば、今の瞬間にはもう二度と戻ることはできません。
青春を謳歌するならもう今しかない！　今だけなのです！

今年の行き先は京都から関東圏に属する離島にある
“たたら村”に変わりましたが、
農家でのホームステイを通して体験する田舎暮らしも、
きっと満喫できるものに違いないでしょう。

近場にある海でマリンスポーツをしてみたり、
山奥にある神社にハイキングがてらお参りにいってみたり。
修学旅行の華といえば、あとはなんといっても消灯後のお喋りですよね。

そうしてみなさんは、
来たる一大イベントに備えて楽しく旅行計画を立てていました。

そして当日。
愚かなことですね。

余計なことさえしなければ、
楽しい旅行生活を送れたはずでしたのに。

何百年も蓋をされていた怨毒に、
果たしてあなたたちの絆は敵うのでしょうか。

村の目的 †

仲間との絆を守りたいと思うのなら、『呪い』を破ってみせましょう。
少女の力によって真の感情に気付いたなら、『呪い』を果たしてみせましょう。

ローカルルール/世界観 †

副題は『たのしいハートフル☆ドキドキ修学旅行』です。

★みなさんが通う高校は三年間クラス替えがありません。
　日頃行われる授業も、体育祭や文化祭などの行事もすべて一緒。
　二年間苦楽をともにしていますから、基本的に全員仲良しです。
　時には諍いが起きたかもしれませんし、個々の関係に差異はあるでしょう。
　しかしみなさんは、様々な問題を乗り越えて今ここにいます。
　ですから、多少のことでその絆が揺るぐことはないはずです。

★みなさんは全員、クラスメイトに絆を感じています。
　その点を頭の隅に留めていただければ、あとはどのような関係を築いても構いません。
　また、クラスメイトを憎む理由もお願いします。
　もちろんみなさんがクラスメイトを憎むはずがないと信じていますが、人間の心とは複雑な感情が絡まりあって出来ていますから。
　カナコさまは、恨みや嫌悪を強く持つ者に呪いの力を与えます。

★肩書きは自由に記入してください。
　参考までに〈ダミー〉の肩書は『学級委員』です。
　また、本校は共学です。
　入村時に男女の比率をふわっと確認してくださると助かります。
　キャラチップなどはすべて早い者勝ちです。　

★プロローグ中にくじで男女混合の班を決めます。
　決められた班ごとに各ご家庭のお世話になることでしょう。
　みなさんは初めてここで班のメンバーを知りますが、キャラクターたちは旅行前に既に知らされています。
　寝食や午前中の農業体験プログラムは班での行動になります。
　他の班との接触は午後の自由時間に可能となります。

★この村では役職希望を有効にしています。
　希望する役職がある場合は、参加時に選択してください。
　希望がない方は必ず『おまかせ』を選んでください。
　『おまかせ』を選ぶと希望されていないあまりものの役職が配られます。
　これは、プロローグが開始する前日に村建て人からアナウンスします。

役職設定 †

★1日目に祠の封印が解けてしまったことにより、カナコ様の呪いが村に散らばっていきます。
　偶然だったのか、必然だったのか、その力はあなたたち一人ひとりに宿ります。
　【1日目に突然能力が付与されてしまった】という設定で扱ってください。
　人狼は共通して、人を呪い殺す神通力を手に入れます。
（例）
・「実はタロット占いに最近ハマってたんだけど、なぜか真実が見えるようになっちゃった」
・「眼鏡をかけていると1日の終わりに1回、幽霊が見えるんだ……」
　あくまで例なので、自由に設定をつけてくださって構いません。

★現代日本が舞台なため、人狼ゲームを知っている生徒もいるかも知れません。
　たたら村に伝わる古書にも似たような記述があります。
　2日目朝に発見される〈ダミー〉の遺体のそばに落ちているので、全員で共有しましょう。

★役職について参考までにご参照ください。

　《村陣営》
　君たちにとってクラスメイトとの絆はかけがえのない宝物だ。
　カナコ様の呪いを受けた仲間を探し出し、村に蔓延る怨毒を封印してみせよう。
　きっとこの事件だって、力を合わせて解決すれば、いつか笑い話になるのだ。　

　《狼陣営》
　君たちは絆というものを憎悪するカナコ様の呪いを受けてしまった。
　この２年間で育んだ憎悪の芽を開花させ、村に蔓延る怨毒ですべてを呪い殺そう。
　火のないところに煙は立たない。君たちが呪いを受けるのは必然だったのだ。

　《その他陣営》
　求婚者
　絆も恨みもくだらないと君は思う。君が信じるものは愛する人だけだ。
　しかしその願いは呪いに染まって、二人の命を結びつけてしまった。
　呪いを解く方法はただ一つ。それは、たった二人で生き残ることだ。

　狐
　絆も憎悪もくだらないと君は思う。君が信じるものは君自身だけだ。
　そんな君に怨毒など効くはずがない。しかし、君は絆を心から信じる者に弱い。
　誰かを蹴落としてでも生に執着する心そのものが、既に呪いに侵されているのかも知れない。

　魚人
　絆も憎悪もくだらないと君は思う。君が信じるものは死による救済だ。
　君はカナコ様を迫害したばかりに呪われ、入水自殺した村人の念を受けてしまった。
　誰かの怨毒を浴びることでしか、君の魂は解放されないのだ。

※レギュレーションは人数が確定し次第、希望取りつつ最終決定します。
　共喰いありです。

★用語についてですが、占い師は占い師、霊能者は霊能者と呼んで構いません。
　ただし、役職名以外の霊ロラ、べグ、PET占いなどの人狼用語はできるだけ避けてくださると嬉しいです。
　使用したい場合は、キャラクターに説明させてから使ってください。

処刑襲撃設定および指針 †

呪いの力を手にした者は、憎悪や嫌悪のままに呪い殺そう。
呪いの力を封じたい者は、仲間を守る最善の手段を取ろう。

処刑・襲撃について
襲撃された場合、何があろうと確定で死にます。生き返ることは絶対にありません。
処刑の扱いは参加者に一任します。村の空き家や蔵に閉じ込めるという手段もあります。
しかし、呪いを封印するためには、少なくとも呪いを受けた人間の命が必要です。

推理ありですが、RPを重きにした考察を推奨します。
自分が信じるもののために殺したい人を殺しましょう。

禁止・非推奨事項 †

・基本的には皆さんの判断にお任せします。
　最低限のマナーを守ってくだされば、特にこちらからは制限しません。
・禁止ではありませんが人狼用語や▼▲などの記号はやや非推奨です。
・禁止行為の制限はしませんが、著しくマナーを害していると判断した場合はアナウンスする可能性があります。

推奨事項 †

原則として自陣営のために動きましょう。
しかし時として、キャラクターが信じた正義が、利敵行為に触れる可能性もあります。
それがあなたにとって真に正義であるならば、いたしかたないことでしょう。

進行 †

プロローグ †

待ちに待った修学旅行。農村体験は明日からなので、今日はめいっぱい遊びましょう。
今晩は集会所で全員で夕食を食べます。食事のあとダミーは肝試しの準備に行きます。
就寝時間になると生徒は全員、不可解な寒気がしました。

・入村順の番号であらかじめ班を決めます。
・プロローグのみ二日間に延長。ゲーム内時間は二日間で一日というくくりです。

一日目 †

各班ごとに受け入れてくれた家庭の仕事を手伝います。
夜はダミーが肝試しを開催します。呼ばれたペアから林の奥の神社に向かいましょう。
しかし、いつまで経ってもダミーが呼びにきません。

※通常通り役職が配られます。

二日目 †

翌朝、生徒以外の人間が全員死んでいます。
その死体の中には昨夜行方知れずだったダミーの姿もありました。
彼女の死体のそばには、謎の古書が落ちていました。

呪いの存在を知ったあなたたちは、呪いに立ち向かうことを決意します。

三日目以降 †

みんなで話し合って呪いを受けた者を探しましょう。

墓下 †

墓下は自由です。

エピローグ †

生者は生者同士、死人は死人同士でご歓談ください。
エピローグの詳しい処理は、当日にお話させていただきます。

出席名簿 †

募集を〆させていただきました。
参加いただきありがとうございます。

コメント †

• 井戸の底(墓下)からグッドラック！生徒達を見守っております -- こまばやし? 2019-02-25 (月) 09:12:57

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最終更新日: 2019-03-05 (火) 14:16:57 (1878d)

編集責任 : gamedb