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ネットとリアル。
境界をあやふやにしたのは技術の進歩。
現実と見紛うばかりの世界での、現実には味わえぬ冒険譚。
リスクなく気軽にスリルや高揚感、達成感を得られる。
だから、仮想現実にはまったとしても、仕方ない事、だろう?
目を開けると其処は見知らぬ世界。
いや、小説やアニメ、ゲームなんかによく見られる中世欧州を連想させる雰囲気の、宿と思しき光景がある。
そこでキミは思い出す。
これはヴァーチャルリアリティ、仮想現実なのだ、と。
そうして視線をめぐらせば、自分と同じような状態の人たちがいる。
キミは次世代ネットワークゲームVRMMORPG『アヴァロン』のプレイヤーの一人だ。
今認識している肉体は自身でカスタマイズしたアバター。
自身のステータスやスキルを確認するにはそれをイメージしてタブレットを操作するみたいに指先を動かせばいいだけ。
それで自身にのみ認識できるウインドウで知りたい自身の情報を確認できる。
そうして、キミは気付くだろう。
それまで培ってきたVRMMORPGのスキルがない事に。
そのかわり、見知らぬスキルが一つある事に。
『_____』(※それぞれの役職名が入ります)
スキルレベルは明記されてはいない。
けれどスキル情報は確認できる。
不意に通知音が聞こえてクエストが追加された事が知れる。
『汝は人狼なりや?』
そんなタイトルのクエスト。
人狼ゲームの説明に配役が記されている。
それぞれに与えられた役職とクリア条件も確認できる。
クリア報酬は『現実世界への帰還』
クエストを失敗すれば『消滅』
知覚は現実世界と変わらない。
触れる感触も温度も、五感すべて感じ取れる。
キミが知るVRMMORPGでは『痛み』はフィルターで極めて僅かしか感じないように設定されていた。
アバターが戦闘で死亡しても叩かれた程度の痛みと軽いペナルティが科せられるだけだった。
けれど、このクエストでは『痛み』のフィルターが解除される。
与えられたダメージもまた酷くリアルに認識される事となる。
御親切にもそんな情報も明記されていた。
クエストタイトルと同じカードゲームの話をキミは聞いたことがあるだろう。
テレビでもネットでも話題になったことがあるから
どういうものかはわかるだろうし遊んだこともあるかもしれない。
そうして、最初の犠牲者となるダミーとして紹介されたのは
キミがよく知るプレイヤーの一人だった。
村名 | 仮想現実人狼―Avalon― |
開催国 | 議事RP鯖 |
種別 | 完全RP村 |
更新間隔 | 24時間 |
投票方法 | 無記名投票 |
発言制限 | むげん |
キャラセット | 人狼議事ちゃんぷる |
募集人数 | ダ込11名 |
編成 | C国編成 |
更新時刻 | 0:00 |
開催時期 | 未定 |
役職希望 | 有効 |
村建て人 | helmut |
次世代ネットワークゲームVRMMORPG『アヴァロン』が本編中の舞台。
キャラクターは『アヴァロン』のアバターとなります。
現在選択できる種族は人間のみ。
スキルは生産系、戦闘系はありますが、魔法に該当するものはありません。
中世の欧州をイメージした世界と説明書にあります。
現実と仮想現実、この時は行き来は自由。
定期メンテナンスが行われたばかりではありますが大きなイベントや仕様変更の告知もなくいつもと変わりなく見えることでしょう。
『アヴァロン』に接続したまま眠ってしまったのか。
目覚めると『アヴァロン』のとある宿の広間に居ます。
スキルの変化とクエストの通知はこの時に。
強制的に始まるクエストにあなたはどうしますか?
人狼ゲームの知識は人それぞれでしょうが必要な情報や配役はクエスト内容を確認さえすれば明記されているので支障はないでしょう。
『ダミー』が初回犠牲者である事が通知され、『ダミー』は宿の客室に閉じ籠ってしまいます。
『ダミー』が閉じ籠った客室の扉は開かれていて、『ダミー』が無残な姿となり寝台に横たわっているのをあなたたちは発見することでしょう。
さて、まずは誰を処刑しますか?
犠牲者が発見され、誰かを処刑する。
決着がつくまでそれは続く。
意識として形作られる姿は現実のものかアバターか。
どちらにせよ、あなた方の意識は仮想現実にとらわれたまま。
『死者』は『生者』に認識されず干渉する事はかなわない。
『アヴァロン』からログアウトが可能になる。
『生者』が目を覚ますのは自室?それとも病院の寝台の上?
『死者』が目を覚ますかどうかは――、さて。