……だが、君達は疑問を持つかもしれない。
本当に終わったのだろうか。
宇宙樹とはなんだったのか。異聞帯とはなんだったのか。
異なる可能性を歩んだ、既に消えたはずの世界。
そんなものが自然現象的にこの世界に現れるはずがないではないか。
人為に違いないではないか。

現に、あの場にいた二つの世界の者達は、確かに【彼方からの悪意】に気づいてすらいたではないか。

誰かがいたのだ。
舞台を整え、しかして自分は決して舞台の上には上がってこずに、世界同士の殺し合いを舞台の裏から黙って眺めていた【彼方からの悪意】が確かにあったのだ。

二つの世界がぶつかった時に何が起こるか分かっていながら、聖杯を用いてそれを為したのならば、それが悪意でなくて何であろう。

君達はこれを読み、気づいてしまった。その悪意から目をそらし続けるにはもう遅すぎる。

間もなく最後の時は来たれり。全ての時代、全ての世界は【彼方からの悪意】の手に落ちる。
けれど案じることはない。人類はその日初めて安息を得るだろう。

初めて、そして、永遠に。

2019年11月予定…?

―――――――それから4000年。
生き残った僅かな人類達、約20万人は、古の神々、ディーヴァ達が作り上げた絶対的な階級階層社会、「神都ディーヴァナーガ」で生活を続けていた。

ディーヴァナーガは業（カルマ）が支配する秩序の世界。
スーパーコンピュータ「ヴェーダ」及び大量導入された監視ドローンにより、人々の全ての行動は監視され、業(カルマ)値へと変換される。
善人、社会に役立つ者、秩序に従順な者だけが認められ、より高位の階層に生まれ変わる事ができるのだ。

カルマ値と輪廻の法則に絶対的に支配された世界。
古代の高度文明の名残を伝える機械工学、動植物を人工培養し、アバターと呼ばれるクローン技術すら日常的なものとして普及させた遺伝子工学等の科学技術は発展の極みにある。

一方、神都の外にあるのはただただ無辺の荒野。秩序が吹き飛んだこの世界では暴力が全てを支配していた。
カルマ値の低さにより都市から追放された人間達は、悪魔の肉以外に食料のない荒野で生き残るため、
自ら人間の肉体を捨て、悪魔と合体して半人半魔（デモノイド）となり生き延びる道を選んだ。

これがA.D.2019年のモヘンジョ・ダロの姿。

我等の神都には無限の輪廻（みらい）がある。

住民達には無限の来世(かのうせい)がある。

ようこそ、神都ディーヴァナーガへ。汎人類史の諸君！！

これまで数多くの特異点を解決し、聖杯を回収してきた人理継続保証機関、カルデア。そのカルデアの前に、今までにない異常事態が立ち塞がった。

パキスタン南西、「死の丘」を意味する古代インダス文明の遺跡、モヘンジョ・ダロ。
その周囲数百kmに渡り、超巨大積乱雲（スーパーセル）が発生し、勢力を拡大しているのだという。
インド、パキスタン両政府により組織された合同調査隊は壊滅。内部へ突入しようとした時点で分子レベルで跡形もなく消滅した。
だがカルデアは、この脅威の内部に、確かに人理の光を観測した。

この異常事態を解明するべく、スーパーセルの内部へと同時代レイシフトを強行したカルデア。
派遣されたマスター達が内部で見たものは、錆びた風の吹きすさぶ死の荒野に、伝承の中の悪魔、
それに人間とも悪魔ともつかない者達が闊歩する、汎人類史とは違うA.D.2019年のモヘンジョ・ダロだった。

現在の地球上から周辺の文明一切が消滅し漂白された「濾過異聞史現象」の反作用により、可能性を打ち切られたはずの「剪定事象」が現在まで継続した世界。
それが人理を揺るがす異変の正体――特異点とは非なる、何者かによる人類史への侵略兵器「異聞帯(ロストベルト)」であるとカルデアは結論付けた。
放置すれば異聞帯を内包したスーパーセルは際限なく拡大し、やがては地球上の文明を残らず消失させ、悪魔の闊歩する無限の荒野が新たな地球の姿となるだろう。

汎人類史が遺したはぐれサーヴァント達と共に、異聞帯の超科学都市「神都ディーヴァナーガ」が保有する世界の核、聖杯を奪取して異聞帯を消滅させよ。

地球上に残るべきは汎人類史か、異聞帯か。

人理を守るための、これまでになく厳しい戦いが――――始まる。

砂漠の中に建設された、非常に高く分厚いシェルターで何重にも覆われた直径十数kmの半球状のドーム。それが神都ディーヴァナーガです。
神都のドーム内部は地上と地下に分かれており、地下は何層にも及ぶ迷宮のように複雑な構造となっています。
この神都の中に、20万人ほどの人間が暮らしています。

神都ディーヴァナーガはディーヴァの神々への信仰”ディーヴァ教”の教義に基づく完全な管理社会です。
全ての住民は「サンガナーカ(電子頭脳)」と呼ばれるスマホ型の小型端末を支給されており、
生まれた瞬間から己が持つ個人情報の全てをスーパーコンピュータ「ヴェーダ」に掌握されています。
ターミナル端末には個々人の職業や履歴、交友関係、行動傾向、大まかなストレス状態までもが逐一記録されており、
神都の住民同士はたとえ初対面でも相手の素性を包み隠さず知る事が可能です。
さらには店員へのクレーム、他人とのトラブル、虚偽の申告…悪行も善行も含め全ての履歴が、あなたと対面した神都の住民に筒抜けです。
神都において、人間は正直に、善良に生きる以外の道はないのです。

神都は絶対的な階級階層社会です。この階級は前世での業（カルマ）値、即ち以前の人生でどれだけ善行をし、社会秩序に貢献したかによって生まれた時に定められており、来世まで変わりません。
この階級は神都の生活全てに影響します。階級によって就ける仕事は決まっており、低い階級ではそもそもまともに働く権利すら与えられません。
仕事に就いた後も、神都の住民は全てその職業や日常生活での社会秩序への貢献度に基づき、ヴェーダが評定するカルマ値によって管理されています。
カルマ値は居住地や結婚相手の選択へ影響するのはもちろん、買い物一つとっても既定のカルマ値に達しない店舗で行うことは許可されません。

一方で、神都に居住する限りはどんなにカルマ値の低い人間も、最低限の衣食住だけは保障されています。
犯罪に手を染めたり、神都の方針に反逆する行動を取る事で極端にカルマ値が低下して神都の外に放逐されない限り、生きていく事には困らないでしょう。

神都ではディーヴァ教の方針もあり、遺伝子操作技術やドローンが高度に発展しています。
特筆すべきはクローン技術でしょう。神都の人間にはそれぞれアバターと呼ばれるクローンの肉体が用意されており、
たとえ本人が死んでもそれまでの経験と記憶、カルマ値を引き継いだアバターが前世で貯めたカルマ値に見合った階級で来世の人生をただちに始めます。
つまり、神都の人間は神都から追放されるか本人が拒否しない限り輪廻転生し続け、ある意味では絶対に死なないのです。

食物については地下のプラントで生産されており、基本的に遺伝子組み換えです。
工業用ドローンが多数存在するため、人間の労働時間は長くても８時間程度です。
ニュース番組やちょっとしたテレビ放送程度の娯楽はあるようです。
神都で養える人口は合計20万人程度。現人口もこの範囲に収まるよう、産児制限されています。

神都ディーヴァナーガはこのように、「カルマ値が全ての階級社会」でありながら
「功徳さえ積めば来世には高位の階級を掴み取れる実力社会」であり、
「追放されない限り最低限の生活は保障される博愛社会」なのです。

神都の外はもはや人類が住めるような環境ではありません。全ては砂漠、昼は灼熱、夜は冷え冷えとした死の大地と化しています。
悪魔の群れが常に弱肉強食の争いを続けている荒野では作物も育たず、野生の獣もほとんどいません。
食べ物と言えば悪魔の肉ぐらいのものでしょう。そんな場所では悪魔の力でも手にしない限り、普通の人間が生きていく事はほとんど不可能です。

A.村建てにもそんなものはないので心配ありません。また、神都の宗教は”ディーヴァ教”という異聞帯独自のものであり、汎人類史のヒンドゥー教とは全く関係ありません。

A:前村までと同じように、消滅した英霊だけでなく死亡した普通の人間の魂も内部に留めておくことが可能です。
英霊を押し留め、座に戻ろうとするエネルギーを継続的に搾取し続ける事で莫大な魔力を生み出し続け、通常の聖杯を超える万能の願望器として異聞帯を存続させています。
汚染はされていません。杯の形を取っているかどうかは不明です。

A:構いません。ただし原作とは全く別物という設定で使用してください。
「アーサー王」は登場させてもいいですが「アルトリア」はダメです。

A:基本的に原典（史実、伝説、有名な物語等）ありの存在が対象となります。
創作物上の存在は構いませんが、長年に渡り世界中で広く親しまれている必要があります。
今回は神霊や仙人も登場させられます。擬似サーヴァントやデミ・サーヴァントを登場させても構いません。
また、アルターエゴに関しては、複数の神性を人間に融合させたハイ・サーヴァントという形でのみ登場可能です。

A:セイバー/ランサー/アーチャー/ライダー/キャスター/アサシン/バーサーカー/ルーラー/アヴェンジャー/アルターエゴ/フォーリナー

以上11クラスが使用可能です。クラス相性はありません。ダブっても良いです。
アルターエゴを使用する場合、いくつかの神性を人間に融合させたオリジナルの英霊(ハイ・サーヴァント)という位置づけになります。

A:神、妖精、幽鬼、魔獣など、伝承上の存在であればいずれも悪魔として登場させて構いません。英霊として呼ばれうる悪魔も召喚可能です(例：クー・フーリン，メデューサ)

ただし、この異聞帯で信仰を集めるディーヴァの神々はいずれも凄まじい力を持っています。
ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァの3神については汎人類史のYHVHを超えかねない力を持っているので登場させてはいけません。化身なら登場させても良いです。
それ以外の悪魔は自由に召喚してよいですが、村としてのバランスは常に考えておいてください。あまりに強すぎる悪魔は召喚者にも制御できないと考えてください。

A:創造神ブラフマーの加護を受けた携行型の銃です。片手サイズでかめはめ波みたいなビームが撃てます。強いですが、英霊や上級悪魔相手だと威力はさほどでもないです。

A:今回はメモ欄の設定を簡略化しています。FGOのスキル名やパラメータは設定できません（宝具はあります）。
また、FGOのスキル名、回避や無敵等のスキル効果、女神転生シリーズの魔法名、吸収や反射等の相性設定をそのまま登場させることは非推奨です。
禁止ではないので、何かしらの理由付けがあって展開を面白くできそうなら、多少は使っても良いですが。